犬の食材として注目される鹿肉ジビエ。元パティシエで看護師の犬用ケーキ職人が猟師の元で狩猟・解体・食べ比べを体験。命の背景や栄養、ネットでは分からないジビエの魅力をお伝えします。


「パティシエなのに、なぜ狩猟まで行くんですか?」

狩猟に行く事を伝えると皆に言われました。

私は元パティシエで、現在は犬用ケーキを作る仕事をしています。

わんちゃんの誕生日ケーキやお食事ケーキなど、特別な日のごはんを作るお店です。

そんな私ですが、先日二泊三日で猟師さんの元を訪ね、鹿や猪の狩猟から解体、そして梱包までを体験させていただきました。

ケーキ職人が狩猟へ。

少し意外に思われるかもしれません。

ですが私にとっては、とても自然なことでした。

なぜなら、犬の食事に使う食材の「命の背景」をきちんと自分の目で見て知りたいと思ったからです。

普段わんちゃんのごはんとして使われる鹿肉や猪肉。

その食材はどこから来て、どのように私たちの元へ届くのでしょうか。

今回の体験は、食べ物の本当の価値を考える時間でもありました。

犬の食材として注目されるジビエ

最近、犬のフードやおやつで「ジビエ」という言葉を見かけることが増えました。

ジビエとは、鹿や猪などの野生鳥獣のお肉のことです。

特に鹿肉は、犬の食材として優秀な栄養バランスを持っています。

鹿肉の主な特徴は

  • 高タンパク
  • 低脂質
  • 鉄分が豊富
  • ビタミンB群が多い

という点です。

脂質が少なくタンパク質が豊富なため、体重管理をしているわんちゃんにも向いている食材とされています。

また鉄分やビタミンB群は、体のエネルギー代謝にも関わる大切な栄養素です。

そのため最近では、犬用フードやおやつにも鹿肉を使った商品が増えています。

ですが私はずっと思っていました。

このお肉はどこから来ているのだろう?部位ごとにどう違いがあるんだろう?

農作物を守るための害獣駆除という現実

鹿や猪は自然の中で生きている野生動物です。

しかし日本では、農作物を荒らす害獣として問題になる地域も多くあります。

実際に猟師さんのお話を聞くと、畑を守るために捕獲が必要になるケースも少なくないそうです。

つまりジビエは単なる食材ではなく、人と自然のバランスの中で生まれる食材でもあります。

今回お世話になった猟師さんはこう話していました。

「無駄にするところは一つもないよ」

その言葉がとても印象に残っています。

初めて体験した狩猟の現場

動物の命をいただくということ。

それは決して軽いものではありません。

捕獲した動物の命を終わらせる「止め刺し」という工程があります。

生きているうちに、とどめを刺します。

なぜなら、命が終わってからでは適切な血抜きができず、お肉の品質にも大きく影響してしまうからです。

つまり、命をいただく側の責任として、できるだけ苦しませずに終わらせることが大切になります。

その瞬間に立ち会うとき、自分は何を感じるのだろうと思っていました。

怖いのかもしれない。

目を背けてしまうかもしれない。

いろいろ想像していました。

けれど実際の自分の感情は、一瞬の「ためらい」でした。

その一瞬の迷い。

けれど、そのわずかな時間が動物にとっては苦痛を長引かせてしまう可能性があります。

そのことに気づいたとき、自分の中で大きな反省の気持ちが生まれました。

命をいただくということは、ただ感謝するだけではなく、最後まで『命を頂く責任を持つ覚悟』が必要なのだと感じた瞬間でした。

普段スーパーに並んでいるお肉からは想像できない世界です。

けれど、食べるということは命をいただくということ。

それを改めて実感しました。

看護師として感じる命の尊さ

私は現在、看護師としても働いています。

医療の現場では、命の尊さを感じる瞬間が数えきれないほどあります。

人の命も、動物の命も、どちらもかけがえのないものです。

今回の狩猟体験は、そんな命の重みを改めて考える時間でもありました。

命をいただくこと。

そしてその命を無駄にしないこと。

看護師として感じる命の尊さと、食べ物を扱う仕事としての責任。

その二つが重なった貴重な経験でした。

解体と食べ比べで知ったジビエの本当の魅力

今回の体験では、解体作業も行いました。

そこで初めて知ったのは、ジビエは処理の仕方によって品質が大きく変わるということです。

例えば

  • 捕獲後すぐに処理されているか
  • 血抜きが適切にされているか
  • 衛生管理が徹底されているか

こうした条件によって、お肉の状態は大きく変わります。

良いジビエは臭みがほとんどなく、驚くほど澄んだ味をしています。

良いジビエはお肉の色も全然違います。

お肉は時期や性別、年齢や出産の有無でも違うそうです。

さらに今回、帰宅してから自分なりにさまざまな部位を焼いて食べ比べたり、ジャーキーにして味を確かめる経験もしました。

すると一つ驚いたことがありました。

ネットでよくおすすめされている部位ではない部分が、実際には一番美味しかったのです。

焼いたときの柔らかさや旨み。

ジャーキーにしたときの香りや食感。

これは実際に体験してみないと分からない発見でした。

インターネットの情報はとても便利ですが、食材の魅力は実際に触れて体験してこそ理解できる部分も多いと感じました。

犬のケーキに活かすジビエ

例えばボーンブロス。

捨てられるはずの骨を活かし長時間煮出して作るスープで、ミネラルやアミノ酸が溶け出した栄養豊富な出汁です。

また鹿肉は脂質が少ないため、わんちゃんのお食事ケーキにも取り入れやすい食材です。

当店ではボーンブロスでお野菜を煮込み、ペーストや細かくして固めたものをお食事ケーキに使ったりしています。

部位によって食感や旨みが違うため、どのように使うと良いのかを実体験として理解できたことは、ケーキ作りにとって大きな学びになりました。

最後に

鹿や猪は自然の中で生きている動物です。

その命をいただくということ。

それは決して当たり前のことではありません。

寒い山の中での狩猟。

重たい体を運ぶ作業。

そして丁寧な解体と処理。

そのすべてを体験してみて、ジビエという食材の価値を改めて感じました。

命をいただくこと。

その命を無駄にしないこと。

そして、その栄養をわんちゃんの健康に役立てること。

それが、私なりの食材への向き合い方です。

当店では、信頼できる猟師さんから仕入れたジビエのみを使用しています。

命をいただく食材だからこそ、背景まで納得できるものだけを大切に扱っていきたいと思っています。

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わんちゃんと飼い主さまの大切な時間を、安心して楽しめるおやつやケーキ作りのお手伝いができたら嬉しいです。

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